[ 言うだけ言えば、
ナイフを取り出そうとしたその手を>>377
掴んで――手折ってしまおうか。
少しくらい声が漏れたって構わない。
彼の口は、黄金色の狼の腕が押さえ付けていたから
きっとくぐもったものにしかならなかっただろう。 ]
[ そのまま彼の腕を捻り上げた手のひらは
彼の背中に向かって深々と振り下ろされた。
心臓を抉り抜く一撃は彼の意識を直ぐに刈り取っただろう。 ]
[ 彼の身体の中に流れる赤い血が
花と成ってそこかしこに飛び散るのを
無感動な目で眺めながら、更に
彼の背に片腕を這わせて、腕に血液を纏わせる。 ]
[ 果てのない欲望は一時、もう満たされていたけれど ]