人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


聖将軍 ソマリ

[差し出した左手は、彼の肩を抜けた。
向こう側の透けて見える身体だ、己が触れられるはずも無い。

―――ただ、失いし右腕を除いては。

見えない右手の感覚を追いかけ、五指を握りこむ。
神なんてあまり、信じてないが、この腕は親友を信じていた。

ギシ、と関節が悲鳴を上げても、右腕を大きく振りかぶった。
霊体を殴るなど、奇跡か、笑い話か。

彼を信じることは、奇跡でも笑い話でもなかった。
振り下ろした右腕が、彼の頬へ。]

 起きろ、バルティ!
 勝手に満足して、何も決めないまま、俺に君を見誤らせるなっ!

(395) 2014/02/27(Thu) 22:43:51 (momoten)

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