[武器庫のドアから僅かに顔を出し、通路の様子を窺う。
自分がやってきた方から声がする。
ひた… ひた… ひたひた…ひたひた…
響く靴音はやがて鈍く二重に重なり、四本足の足音が近づいてくる。]
来たな…
[ようやく姿が見えた。
(なんだあれは。資料で見たガルーとは大分違う。)
資料に載っていたガルーは、もっと大きくて逞しくて。毛並みの美しくて…
そこに居たのは、痩せっぽちの野良犬だ。しかしそれは、遠吠えの代わりに人の声を話す。]
痩せっぽちめ、その生命、僕の栄光の礎に成るが良い!
[手始めに
ドゴオォォン!!!
[耳をふさいで頭を抱える。爆音と煙が保管庫の前までやってきたら、すかさずサブマシンガンを煙の中心へ撃ち込む。
始めの手榴弾でダメージを与えようとは思っていない。寧ろ狙いは火薬のニオイで相手の嗅覚を駄目にさせることだ。]
やったか!?
[煙が収まってなおも犬が顕在であれば、今度はショットガンをお見舞いしてやる!
果たして相手はどう出る?*]