ああ、ありがとうございます。
[>>385 甘い香りを携えて、銀髪の大使補佐が入ってくる。
存外、その様子が似合っていて、不覚にも微笑ましく思ってしまった。
もっとも、今はクレメンスとカナンと対談している時なので、それはおくびにも出さず。
簡素な御礼を告げるだけに留める。
黄色いスポンジ状のそれにフォークを立てて、静かに口へと入れる。
どうせ、媚びたような甘さの、諄いものであろうと―――]
――――……ッ!
[思わず小さく咽た。
ほろほろと、口の中で優しい甘さは溶けていき。
砂糖と卵、そしてざらめの香ばしさが、幸せを伝える。
真剣な対談中だというのに、思わず、シメオンに物欲しそうな視線を送ってしまった事は。
………アレクシスの不覚であった。]