―避難部屋―
[皆が寝静まった深夜、闇の中、ベッドから身を起こす。
立ち上がって数歩、勉強道具の鞄に紛れ込ませたピストルを手に取る。
シモンが魘されているようであれば、今日もまた左手でシモンの手を握りながら、右手に持ったピストルと目と耳で部屋への侵入者が無いか、警戒をし続ける。]
(シモンさん、私が護るから―)
[シモンとディーターとの間に何があったのかは知らない。
でも、何かがあったのは何となくわかった。
人狼を退治して春を迎えられれば、きっと家でシモンとディーター、そしてジムゾンが酒を飲み交わす時間を作れるだろう。
そうしたらシモンの苦しみも少しは軽くなるのかもしれない。]
(その為にはまず、シモンを、みんなを護らなければ。)
[宿の2階で、惨劇が始まっていることは、まだ知らない。**]