―厨房―[>>0:393 兄の絞り出すような悲痛な声に、ディーク自身も何も言い返せなくなってしまう。]――……っ、てあ…ッ[吹き付ける風の音に一瞬気を取られ、何かに気づいたように顔を上げた兄が、手首を捉えるのに気づくのも遅れ。オズワルドの目線まで持ち上げられた手首には縄の痕が晒される。慌てて着替えた襟元はネクタイもボタンもゆるく外されていて、頸部にある縄痕も見えていたかも知れない。]