[魔物を退ける効果がある品は、人間側の手に渡れば厄介なものでもあろう。だが、その運用についてベリアンは疑惑を挟むことはしない。テオドールはベリアンが必要とする環境と資材を与えてくれている。 そればかりでなく、苛烈にして冷厳。 崇敬の念すら抱かせる漢だ。胸に手を当ててテオドールを見送る眼差しは、ベリアンなりに謝意をこめたものだった。**]