[ぐしゃり、と手の中で紙の潰れる音が響いた。7年目にして初めて受け取った手紙に書かれていたのは、帝国内の勢力闘争と、それに関わり起きた変化について。それでも自分は手紙を貰うだけで済んだ。箔付けはやはり必要だからと。だからまだ、ここにいることが出来るけれど]……リエヴル・フェルセン先輩。[表立ってはもう、そう呼ぶことは出来なくなるのではないかという予感が走り、先輩の名が口をつく。そう大きな声ではないが、静かな夜の風に乗って、流れた*]