剣の主──[足の向いた先、闇にそびえたつ太い柱に掌を当て、与えられた血の一滴を頼りに、自分をこの艶やかな奈落へ招いた者を呼ぶ。どうやって地上へ出ればよいのか教えてもらうため、そして、叶うなら他の者たちの消息を聞くことができればいい。書斎で出会ったタクマや謎を解かんと名を交わした男たち、そして血に飢えていた襲撃者共──その多くが、自分と同じく地下へ招かれていたことは知らず。]