― 王宮にて ―[フェリクス王子を訪ねれば、今度はお目通りが叶うだろうか。親書なのだから、できれば人伝ではなく、直接手渡したい。誰かに所在を訪ねようと王宮内を彷徨っていると、不意にどこかで鈍い音がした] ……何の音?[けれど、音のした場所は視界にはないのか、わたしが居る位置からは確認できない。止めた足を再び動かそうとした時に、不意に背後から声が掛かった>>360]