[前に笑みを向けた時も同じような反応があったように思う。
瞠る眸に小首を傾げアレクシス>>384を見詰める。
どうかしたのかと声掛けようと口開けば
咳払いの音色が届き、言い掛けた言葉を飲み込んだ。
彼の言う甘露>>385が何を示すかはすぐに知れた。]
知己の身を案じるくらいはお許し下さい。
……甘露、なら、ええ。
[僅か途惑うように翆玉に似た眸を揺らし
ヴィンセントから受けたグラスを軽く掲げる。]
お誘いありがとうございます。
再会に、――。
[乾杯に応じる態を見せはするものの形ばかりで
グラスの中身が減る様子はなかった。]