― 一年後 ―あれは?[それは、進級試験が終わった直後のこと。どうにも寝つけず、恒例のお茶会やパーティの準備で忙しくしているルームメイトを起こすまいと、静かに外へと出て来たのだが。目立たぬようにしながらも立派で大きな黒い馬車が停まっている。乗り込もうとしている人>>8の顔は、蒼い月に照らされて、酷く血の気が引いて見えた。見えてしまった卒業生代表の顔に、ハッと息を呑む]