― 黄砂の村 ―そうそう。そのダーフィト先生だ。[驚いているイルマに笑いながら頷いておく。士官学校では凪いでいた彼の刃を、イルマは見たことがないのかもしれない、とは思った。]―――で、すぐには直らねえだろうから、なんか、代わりになるのがあるといいんだが。[あまり期待せずに聞いてみる。トールが巻いた布鎧だけでは、いかにも心もとない。無ければ無いで、気にせず飛び出すだろうが。]