――…?
[盟主達が言葉を交わす間、先程気にした人物がちらりと見えた。
白い猿を抱き抱えた、濃紅色の髪。
>>352巡視の途中に一度だけ会い、僅かに言葉を交わした風の民の若者を思い出させるその姿に、女は枯色を瞬かせる。
もしも同一人物であったとするならば――ウェントゥスの民はシュビトと同じく、開国を望むのだろうか。
このままのナミュール国の民である事は彼らにとって苦痛なのだろうか、と。
当の本人であるとは知らないままに重ね見る。
>>244人の縁とは不思議なもの。
そう口にした巫女姫の言葉を思い出して、女は束の間目を伏せた。*]