― 厨房 ―[片付けをしていたドール達の姿も今は無く。二人きりの厨房には、窓へと吹き付ける風の音だけが響いて] 言えるワケ、無いだろうが……ッ 実際来てみたらこんな――……[絞り出すように応えるも、何かに気付いた様に顔を上げ。狼狽する弟の手首へと手を伸ばそうと。拒まれなければ、二人の目の高さまで彼の手を持ち上げただろう。――その身に刻まれた縄の痕を、晒すように]