[其処にいたのは赤い美酒に満たされたグラスを手にした魔ふたり。偉大なる力を宿す魔同士が酒を優雅にかわす光景は、あたかも一枚絵のように完成された造形美で…双子は声を掛けるのも忘れ――その場に立ち止まってしばしの間、魅入った] 『…幻じゃ、ないよね』夢でもないわよね…? 『頬つねってあげようかローズマリー』いらないわ。ワタシがつねってあげる。 『いやいや気持ちだけで十分だよ』 遠慮しなくていいのに。