[うっかりそんなことを考えていると、つい目頭が熱くなって慌てて深呼吸。フレデリカが泣いていて良かった。彼女の兄代わりとして、先輩として…ちょっと今の顔は見られたくない。顔を上げ、あやすように、縋りつく小さな背中をぽんぽんと撫でる。開け放たれた部屋の窓から、春の風がひやりと潤んだ目元を掠めた。*]