[通路の灯に照らされて浮かび上がる影。ガルーだなんて、大層なものじゃない。見る人が見れば、ただの小汚い野良犬と思われるかも知れない。毛並みの艶は見る影もなく、その体は痩せ細って。彼をガルーたらしめるのは、今や言葉を発する事ができるという事実のみ。] そこにいるのでしょう? 出てきてくださいっすよ。[ハーランとしてよりも、やや曇った声で呼ぶ。隠れん坊に、興味は無い。]