― 回想 ―[ 『守護者』に初めて会ったのは、12年前、漸く一人前の騎竜師と認められ、亡き父の後継として北部師団に任命されることとなって、王都に出向いた時だった。話には聞いていたが、一度も顔を合わせたことのなかった黒衣の剣士の姿を目にした途端、感じたことのない緊張に、体の芯が震え、身が竦んだのを覚えて居る。周囲の人間には、王の御前で騎竜師としての誓いを述べる為の緊張だと思われていたようだが、親代わりとして同行していた師団長には、恐らく本当の理由はバレていただろう。 ]