「テオ、来る者拒まず、去る者追わず。だぞ。」
…じゃあ、最後に一言だけ。
「なんだ?」
――病人拾いすぎ!!
[こういう話をしている時、自分が後々、子供をゲオルグと連れ帰って来るとは、誰が予想できただろう。別に、船長の方針に不満があるわけではない。
助けられるものは助けよう。求められたら尚更。
そういう人だから、今まで引っ付いてきたのだ。だから、テオドールはその方針が嫌いだったわけではない。ただ、こんなにカッカする理由があるとしたら、一つ。
子供を海賊船に乗せて安全なはずがない、という、一種の不安。
尤も、行き場がないことは重々承知していたつもりだけれど。]