[魔王の身の内に、闇の気配が高まっていく――眼前の魔神と張り合うが如くに。 だが魔王の狙いは、直接の力比べにあらず] ――掴め![力が最大限に高まった頃合い。 或いは、前方で繰り広げられる戦闘が佳境に入る頃合い。 床を割って出現した二つの巨大な手が、闇の魔神の両足を掴まんとする。 それは魔王自身の両手に似た、青白い手であった*]