― 回想・シュヴァルベに旅立つ前 軍務省にて ―
[ 軍務省を出れば、外は曇り空だった。
馬での移動には丁度いい天気だ。
門の前で待機していた部下を引き連れ、簡単にカサンドラを
紹介しながら厩舎へ進む。 ]
――あぁ、主席代理には士官用馬車が用意されてますので…
ご安心を。
[ カサンドラが馬嫌いなことを考慮したわけではなく、
護衛対象が誰であっても馬車に乗ってもらったであろうが。
それでも彼女は心底ありがたそうな顔をした、かもしれない。 ]
それから、これは関所の通行証です。
まさかはぐれる事はないと思いますが念の為お渡しします。
――こっちはお守りです。馬酔いしない石が入ってます。