― 記録 ―
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だから!キャップ!
うちはさぁ!海賊でしょうよ!
なにこの艇、託児所!?孤児院!?ええっ!?
[今日も廊下で新しい子供を見た。
それでカッカした様子の若いテオドールが船長室に突っ込んできて。
当時の船長は、まあまあ、とテオドールを宥める。]
「そうカッカするな。
カルシウム足りてないんじゃないか、テオ。」
………。
[ひどい顔をしている、と誰が見ても言うだろう。
やり場のないこの怒り、と言わんばかりの顔だ。
しかし、そもそもお前も子供で乗船しただろう、と言われると、テオドールも何も言い返せなくなってしまうのだが。
乗船当時八歳。左腕を失って死にかけているテオドールを金馬号は拾った。
そも、別に子供ばかりというわけではなく。
子供以外にも助けられて、そのまま乗船というのも何度か見た―ような気がする―。]