― 王都陥落から半月ほど後:王城にて ―
[肩の毛玉の事を疑問に思われているなど知る由もない。
……もっとも、本当に親しい者相手でなければ本来の姿を見せる事のない小さき妖精には、多くが疑問を持っていたやも知れないが]
……そう、なります、ね。
護られる事を求めつつ、自分にないものを、異端として、廃する、矛盾。
それを、許せない、っていうのも、大きい、ですけど。
[目を逸らす事無く告げられる、過去への評。>>369
真っ向から受け止めようとする態度には、やはり、戸惑いはあるけれど。
同時、本質を見出そうとするかのようにも思えるその眼差しの真剣さは、青年のもう一つの本質──知の探究者としての部分にも強く響いて。
誤魔化す事はできない、という想いを内に積み上げた]