─ 回想/昼食時 ─
[亜梨沙といられて嬉しい。
それは旅行中、ずっと我慢しなくてはと思っていた言葉だった。
けれど近い距離につい言葉を滑らせてしまい、亜梨沙は少しぶっきらぼうに、少ししかめっ面をしたみたいに返してくれる。
別に、いいんじゃないの、と>>385]
……いいのかな。
えへへ。
[声音よりも、表情よりも、落ちた言葉が嬉しくて、少しだけ子供の頃みたいな明るい笑みが表情に浮かぶ]
うん、あげる。
──はい、あーん。
[差し出した匙に掬われている小豆粥をねだられれば、くすぐったがる様に笑い、開けられた亜梨沙の口の中にそっと匙を向けた。
今度は亜梨沙の番と言うのは、何たが今の夢みたいな時間が終わってしまうみたいで言えずに。
粥を味わう亜梨沙を、楽しげに見ていた*]