念のため、言っとくが。
俺は別に、ここに来た連中の力を疑ってるわけでも、過剰な心配してるわけでもねぇ。
[それは、先に叩きつけられた言葉への返答ともいえるもの]
……力を認めて、信を持っているからこそ。
神格として、通さなきゃならねぇ筋をきっちり通した。
俺という『個』、そして、『黒狼神』としての存在。
双方で認めたかったから吹っ掛けた。
[静かな口調でそう告げて、それから、天に向けて手を差し上げる。
呼応するように後ろに控えていた狼が天へと吠え、それに応じるように、各自が集めた黒い石――鍵の欠片が、黒焔狼の手へと集い、漆黒の球体へと転じる]