[>>383 これくらいの痛みで音を上げる事もない。
むしろ音を上げてしまったら少し恥ずかしいと、
そんな事を思ってしまう。]
はは、馬鹿と煙は――…ってやつか。
[確かに、と笑みを漏らす。
その表情はといえば、これからの事を思って
少し硬くなっているのだけれど。]
……… ん。痛くない。
[ニコラスに問われてから、
肌をつねられていることに気付くほどには。
麻酔というのも不思議なものだと思う。
痛みを感じなくなるなんて。その分、副作用は強いのだろうが。
薬を塗られていく感覚は覚えど、
傷口を触れられても、大した痛みはない。
静かな空間に、瞳を閉じかけた――その時。]