― 診察室 ―[成長しない自分。抵抗力の弱い身体。時々、死生観的に投槍な様子を見せるのは、主治医のゲルトなら気付いているか] それじゃあ、俺はこれで。 ゲルト、珈琲ご馳走様。 今度はお茶菓子もつけといてよ。[そして、やはり忘れる事も無く、子供の自分とそっくりな人形を片腕に、診療所を後にした。成長しない、そんな自分と良く似た人形を日常的に持ち歩くのは、どういう心理なのだろうか。例え誰かが面と聞いた事があったとしても。それに対して真面目に答えた事は、無かったが]