――南の地区――
[南の地区に来れば、聞き覚えのある訛が耳にはいる。
王子様が何か話している横で警戒するように辺りを見回した。
>>354
薄暗い路地に入っていく汚い子どもが視界に入ると
何かを思うことがあるらしく、目を背け、服の上からそっと撫でられる。
根っからの貴族の彼は平穏は望んでいるだろうけど、
平等なんて望んでないくせに]
よかったです。
燻るものがある可能性がある場所は軍を配置するに
越したことはないと思いますよ。
軍の長はフェリクス様です。
どう国を守るかは大げさに言ってしまうとあなた様次第なんですから。
[もしかしたら、いつもはもっと怪しい雰囲気があるのかもしれない。こう武装した人間がいれば、静寂が訪れるものだ]
監査局?
あぁ、そうですね。
何か気づいたことがありましたら、
すぐにお耳に入るようにいたします。
[監査局に引っかかるものを感じつつも
それをあえてスルーして王子様を頼ると宣言した。
監査局と言えば、平民出身の長がいるそうだ。
彼はあまり快く思っていないようだった。
それが彼自身の出自からか、勘という類のものかはわからないけど]