― テラス ―
[膝上のソマリの手首を屠り、
自らも首筋から吸血されているであろう現状。
弱ってくたりとしたイドよりも早くカレルの姿を見止めれば
苦悶に酔い痴れていたであろう男は驚きに、双眸を瞠らせた。
ソマリへ「食事は終わりだ」と嗜め、彼の手首を流れる朱を舐め取ると
ソマリの身を、椅子の上へと座らせる。
どいてくれなければ、迷わず銃弾を腹へ数発撃ち込んだだろうが
今は未だ解らぬ次元の話]
良く、言われる。
……珍しいな。
君の笑った顔など、滅多に見れん。
[傍に彼の「先生」が居る時であればまた別と、
その程度の認識で。]
先の質問の問いを、持ってきてくれたのか。