― 回想・公国にて ―
ユリシーズ様のお話では、緑の閃光を浴びた瞬間に視力を一旦奪われたが、しばらくして回復したとのことだ。>>74
背後からではなく正面であったのは、ステファン……ステファン氏と同様でありながら、明らかに彼とは様子が違っていたと。
現場から銃器は発見されなかったが、氏の毛髪、衣類から貴石の微細破片が採取されている。
魔器、魔法石による銃弾……。
これまで知られた魔器魔弾とは明らかに効果が違う。
俺は防諜を離れるが、引き続き情報の収集と連絡に努めてくれ。
そうだ。
これから就く任務……諜報にも関わる話だからだ。
[ シュヴァルベに向かい出立する少し前、防諜部に腹心の部下に、そう託した。 ]