─ 王宮・外回廊 ─
[ 一度寄宿舎に戻った後だったかしら、
それとも? いいえいつでも構わないわ。
いつしか外は夕暮れで。
夕方はまだ思いのほか冷えて。
ひゅう、とひとつ大きな風が吹けば
肌を撫でる冷たさに、思わず腕を抱くわ。
本当に部屋に帰ろうと、その足を進めると
目線の先にいたのは ああ──ええと
………誰だったかしら。 >>380
でもあの制服は、監査局の人だと思う。
それは、きっと間違いない。
生真面目そう(というあたしの印象)な人が
ほんのすこし遠くを見つめてて
ただ、通り過ぎても良かったのだ、けれど。
またひとつ肌を風が撫でたので、思わず ]
お疲れ様です。
夕涼みは、お身体が冷えますよ。
[ って、声を掛けてしまったの。 ]*