[3、] 姉さんっ![気が付いたら、ウェルシュは操舵室から飛び出ていった。霧雨のような雨が、ヘーゼルの髪を湿らせ。充分に湿気を含んだ、淀んだ風が領主の足を絡め取る。突然甲板へと出て行ったウェルシュを、乗組員の誰かが引き留めただろうか。それでも青年は届くはずもないのに、喉を枯らして、姉を呼ぶ。] 姉さんっ!!![しかしその声は、>>380 轟音に掻き消されてしまっただろう。]