[バリケードの炎は、乾いた草を伝ってじわりと学校跡の端へも灼熱の舌を伸ばし始めていた>>353。今更、思い出の残滓が燃えるのは構わない。だが校舎を内に抱く形に配置された帝国軍にとっては、あれが完全に炎に包まれると、背水の陣ならぬ背炎の陣になってしまう]急げ。時間はねェぞ。[部下を鼓舞し、眼前の弓兵の喉めがけて、] …ヒュッ![投擲したナイフを喉に生やした兵が、よろりと後ろに沈んだ]