― クレメンス邸・茶会の場 ―
[シメオンが菓子を携え茶会の部屋へと訪れたのは、未だ言葉が交わされる最中。
クレメンスに用があって来たはずのアレクシスは、今はカナンと言葉を交わしているようで、非公式の会談らしき様相を呈していた。
その中に焼き立ての菓子の香ばしい匂いが漂い始める]
[土産箱は一度部屋の隅にある小さなテーブルの上に置き、トレイに乗った皿を先ずはアレクシスの前に。
次いでクレメンス、最後にカナンの前へと置いた。
言葉が続く間は口を挟まず、会話が一段落して途切れた辺りに]
マチュザレムの菓子の一つで、「カステラ」と言う。
甘さは通常のものより控えめにしてっから、甘いのが得意じゃねぇ奴も食えるはずだぜ。
[菓子の説明をしてそれぞれに勧めた*]