― 上甲板 ―
[外に出ると、視線が一斉にこちらに向けられた]
……。何…
[自体の把握。そんな余裕もないほど、切羽詰った声が人々の口から発せられる]
「艦長が真っ先に逃げたというのは本当か!」
「お前らも逃げるつもりなんだろう!自分達だけ!」
[そんな不満。説得を試みようにも、どんなに大声を出してもかき消される]
…っ、中佐!任務は、短艇の回収ですよね。
回収さえできれば四人全員がそちらに向かわなくても、問題ない!
[オズワルドの肩を力任せに引いて耳を近付け、精一杯声を張り上げる。聞こえたかどうかは知らないが。
向き不向きを考えれば、自分にできることはこちらだろう]