やっと思い出せた…僕の名前…[オリハルコンが胸から引き抜かれたなら、その勢いで『彼』の身体は強かに仰向けになって倒れた。胸の傷口からは血液が吹き出し、通路を真っ赤に染めた。顔が僅かにヴィクトリアの方へ傾き、口元からも僅かに血が溢れた。ほぼ即死であった。しかしその顔は、さながら悪い夢から醒めた様に安らかであった]