というわけで、あまりゆっくりしていられないの。
お使いが済んだら役目は終わり。明日の朝には出立してゾネスに戻るわ。
あなたの相棒は元気かしら?
あぁ、…今は夜だから、おうちで寝てるのかな?また、機会があったら見せてね。
次にこちらへ来るのが、いつになるか分からないけど。
[彼が目の前で鷹を扱っている様子を見た事がある。
その時の光景を思い返しながら、わたしは軽く人差し指を立てて提案した。
そして、器に残るデザートの最後のかけらを口へ放り込むと、慌ただしく席を立つ]
ごめんなさい、そろそろ行かなくちゃ。
それじゃ、また、…───おやすみなさい。
[カウンターの中に居る店員を呼び、食事の代金を支払う。
鷹使いの彼を振り返って手を振り、まだ歌い続けている吟遊詩人の方を見やってから、わたしは酒場を後にした。*]