― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
あの馬車だ。
馬と護衛はT班とD班で抑えろ。
遺体は連れ帰って貰う予定だから殲滅はしなくていい。
[帝国側にも、公爵以外には穏健派が皆無ではない。
直接接触できるところまで進んでいたのは外務大臣の流石の手腕か。そしてそれこそが仇となったか。
指示を終え散開し隠れ潜んだ物影で、ゆっくりと手を上げる。
馬車の音が近づいてきた。予定の地点まであと3…2…1……]
――!
[声はなく、鋭く手を振り下ろした。
駆け出す部下達をまずは見送る。
馬車が完全に止まってからが、銃を握る自分の仕事だ*]