[そう呟きつつ見下ろした視線の先、尾ヒレが水面を叩くのが見えた。
先程までは波間に見え隠れしていたが、浅瀬に上がって来たことで、空気に晒される時間が長くなっている]
ブレネン、後ろへ回り込むよ!
[囮役とは反対側、ブレスを吐くにしてもかなり首を曲げる必要のある位置に移動する。
尾の跳ね上げ攻撃には警戒が必要だが、まさにその部位を狙うのだから予備動作を見て回避すればいい]
よし、そのまま滞空……!
[相棒に指示を出しながら、自身は弓を構える。
速度重視の攻撃ではなく、チャージを経て威力を上げた一撃だ。
羽ばたきによる上下動と動き続ける的、両者が噛み合う瞬間を見極める]
そこっ!
[そうして放たれた一矢は、尾ヒレを縫い止め、敵の速さを多少なりとも奪うだろうか*]