― サロン・少し前 ―
[城主の歓待の意を表した、紅い蜜。
それを手に取り、喉へと流し込み――やがて吐息を洩らす血子の姿>>323
密やかに横目で見届けてから、すいと視線を戻す。
アレクシスに掛ける形崩れた言葉遣い、そうして、ギィの戯れに応酬する姿>>330
血親の居城では見せぬ姿の一つ一つを、視界の端には収めたまま。
ギィの戯れの果ては、艶やかな詩句として綴られる>>339
捧げられる讃美の辞に、恭しく睫毛を臥せて沈黙を守っていたが]
――……意外、だわ。
[結びまで340>>傾聴し、初めて洩らした応えは、吐息めいた響き]