― 城内 ―>>295[果たして、程なくして銀の鎧に身を包んだ影が、瓦礫の向うから現れた。死の間際の、血の汚れも負傷の痕も既になく、滑らかな胸甲にも穴は開いていない。この城に討ち入る前とほぼ同じ姿であるように思われた。ただひとつだけ、修道騎士の艶消しの銀ではなく、燻したような黒ずんだ色あいの銀であるのが、違いと言えば言えただろうか。]