― 第1エリア・仮眠室 ―[いつものように、入眠も覚醒も突然だった。時計を見るまでもなく、眠っていたのは3時間程度か、と認識する。隣のベッドで、タイガも少しは眠っていただろうか。...は起き上がると、《イレックス》から強引に取り戻した>>35スコット‐ダンカンの腕時計に触れた。癖になっている。老主人の視覚障害者用腕時計を左手首にはめ、折にふれてためつすがめつする動作が。生活スタイルも含めて、彼の強固な価値観の影響は大きかった。]