[テオドールに顔を撫でられて目を細めているクロイツはまったくもって猫のようだ。その媚びた言動は、リエヴルに見せつけようとしているのかと思う。確かに、自分には真似できない芸当だろう。対するテオドールの所作も、第一印象を裏切るごとく柔かだった。が、] ──…、[語られた言葉を耳にし、リエヴルは静かに後ずさり立ち去らんと試みる。これより先は立ち会うべきではないと。]