― 現実世界・2F廊下 ― あっ、そ、そうですね。 偶然って……凄いですね。[ああ、しまった。自分は白枝が船に乗っていることを知らないはずだったのに。思わず苦笑が漏れる。] あの、白枝さん……大丈夫ですか?[彼女は何か失ったのだろうか。確かめるように、少し屈んで彼女の顔をじーっと。]『……なんだか、』[少女人形の方は違和感を覚えたようだけれど、はっきりとはわからないままで。一先ずは、五体満足で、記憶を失くしたわけでもなさそうな事は喜ぶべきなのだろうか。]