― 修道院北側 ―
[サシャからの報告を聞きながら戦況を読む。
サシャの視力で見つけた敵部隊が動かないのは、こちらにまだ気づいていないのか、それとも渡ることはないと高をくくっているのか。]
橋方面の部隊が本格的な交戦状態に入ったら渡河を開始する。
工兵隊は準備を開始しろ。
サシャは引き続き向こうを見張っていてくれ。
["橋"が川辺に並べられ、馬が引綱から放される。
何人かの工兵が水に潜って長い杭を打ち始めた。
"橋"の安定度を増すための工夫のひとつだ。
サシャへの指示には、肩を叩く仕草と南島を指す身振りが加えられた。]