[ 対処は魔王一行の方が早かったかもしれない。
アルフレッドも地上からここまで飛んできたのと同じ手を使おうと、聖竜を顕現させ...た、つもりだったが ]
...いや、これ、聖竜じゃない、よな?
[ 現れたのは、竜の卵に眠る聖竜ではなく、紫炎の翼持つ影の竜 ]
...なんで、実体化してる?
[ 影から竜を型作ったあの術は、カヤの魔力あってのもので、実際、発動してみるまで、どんなものが影から生み出されるかもアルフレッドは知らなかったほどだ。
それなのに、当然のようにそこに存在し続ける竜の姿に軽く混乱したものの、今はそこを追求している場合でもなかった ]
とにかく...帰ろう。
[ ため息交じりの言葉は、人も魔もエルフも、そこに在る全ての者に向けて ]
俺たちの、大地に。**