[ 私の肩を撫でる手の優しさと温もりも本来なら無いものなのだろう。
きっと私が"奴隷らしくない"から。
奴隷のような装いをしていないから。
こんなにも優しく接してくれるのだろう。
慌てた様子で"彼"を見上げる。
いけない。これ以上気遣っていただくわけは。
この方の名声に関わるのだから。 ]
信じていただけないのでしたら……
[ 正座をしたまま器用に180度回転し手をかけたのは自分の首元。
今まで体を締め付けていた服のボタンを一つ一つ外していく。
驚かれてしまうだろうか。
止められぬよう、無礼を承知で背を向けたのだけれど。
けれど、証明する方法を他には思いつかなくて。
全て脱ぐわけではない。
主人に背中の焼印──契約奴隷の証が見えるようするりと服をはだけさせた。 ]
………これが、証拠でございます。
お会いした瞬間、この印が反応致しました。
[ これで信じてもらえるだろうか。
あぁ、しまった。
後ろ向きではご主人の事を見ることができないではないか。 ]*