[水浸しにした靴と衣服の代わりが用意されている事に気付き、のそり、重い身体を起こせば着替えを済ませる。
支給品のスラックスにタイを結ばず幾つか釦を開けたYシャツ、邪魔な袖を幾つか捲った、寝癖も気にせぬ普段通りの出で立ち。
血の気が薄く酷い顔色なのを除けば、恐らくは、総て普段通り]
……――みず。
[血を欲する餓えに似た渇きだけではなく、純粋に咽喉が乾いて居る事に気付けば、ふらり、歩き出し水場へと向かう。
多分しっかり歩けるけれど、脈打つように絶え間ない痛みを覚える頭痛に足腰ではなく気分の方を挫かれて、壁伝いにのろのろと、部屋を後にし…]
――自室→厨房――