人狼物語−薔薇の下国

297 吸血鬼の脱出ゲーム


元・神父 アルビン

[眠れないと思っていたけれど、とろとろとまどろんでいたらしい]

[吸血鬼を「我が主」と呼べという、悪魔の中の悪魔のごとき命令を聞いた時は、耳から狂い死ぬかと思った。
拒否した。拒絶した。
どんな事をされてもそれだけは呼べないと泣き叫んだのに……]

[無駄だった。無力だった]

[どこまで耐えられただろう。何年、彼を楽しませたろう。
最後の最後に口にした。
魔物ごときを「我が主」と呼んだ。

……けれど、雷がこの身を貫く事もなければ、地が割れて地獄に落とされることもなかった。
アルビンの心が本当に折れたのは、
その一語を発した時ではなく、それを知った時だったかもしれない]

(378) 2015/01/30(Fri) 22:19:31

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